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私たちのお産 6 ‐マザークラス‐


「どんな内容かな。」

ワクワクして参加したマザークラス。

参加者は私含めて3人。

あいにくその日は雨で、一人キャンセルされたとのこと。

5か月に入りお腹が目立ち始めた方もおられて

「徐々に私のお腹も大きくなるかな~」とそわそわ。

お互い遠慮がちではあるけれど、

少し会話を交わしつつ、始まるのを待つ。

マザークラス担当の助産師さんが来られて、

今回は学生さんも一緒に参加されるそう。

冊子が配られ、さっと目を通すと

妊娠の周期表みたいなページや、

食事指導のページ………

!!!?!?!?

「鉄分補給はひじき!」………

一抹の不安がよぎる…

私が中学生の頃の家庭科の時間に習った内容が

何年も前に「実は鉄鍋を使用していたから」と訂正され

テレビのニュースですら流していたのに

…いや、そのほかにもひじきには沢山の栄養があるし…

うん。きっと大丈夫なはず…(嫌な汗

教科書的な話しかないんじゃないか…

栄養指導と称しているのに、

内容はブラッシュアップはおろか、

アップデートもされていないんじゃないのか

…いや、もしかしたら回りまわって

「うちの院ではこれでいくんです!」という

”何か”があるのかもしれない。。。

お互いに自己紹介をしてスタート。

冊子に沿って話が進んでいく中、

どんどん別のことに想いを馳せていく私…(笑)

無責任な情報提供の仕方だなって感じたんです。

ある方が、「葉酸はどれくらい摂ればいいんですか?」

と質問されました。

「葉酸はサプリメントで摂ったらいいですよ。

サプリだったら摂取量が容器に書いてありますから。

最近、摂りすぎると子どもが喘息になりやすいって論文が

アメリカかどこかから出てましたけど、

サプリの容量守ってたら、安心ですし。」

パートナー健太もこのブログであらゆる場面に合わせて

その「基準」は“誰”のためのものなのか、

“誰”に当てはまるのか、

“何”のためにあるのか、

といったことを綴っていますが、

この助産師さんは、

サプリメント会社に責任を丸投げして、

質問をされた妊婦さんを見ていない。

本当に必要だと思って薦めているのか。

ネットで不安を煽られているのと大して変わらない

…そう思って聞いていました。

そして、ビデオで妊娠とお産の映像を見て、

(これもN〇Kスペシャルとかでよくやっていそうな、ほんわかした映像)

「リラックスできますよ。」と

ハーブティーをいただいて。

フリートークの時間に。

「お産について気になることがあればどうぞ。個人的なことでもなんでも。」

……高鳴る心臓。

私「あの、個人的に気になることでもいいですか?」

「どうぞ。」

私「会陰切開についてなんですけど、

出来る限り切開(後の縫合)をせずにお産をしたいと思っています。

そのために準備としてできることや

先生のお産の方針、考えをマザークラスで

話があるっていうことだったので、お聞きしたいのですが。」

「あー、うちの先生縫うの上手だから切ってもらえばいいよ!

今年に入ってからこの産院に来たけれど、今までの先生の中で

一番綺麗に処置されるから!」

もう頭と心は「どうしたもんか」とちょっとパニックです(笑)

……質問聞いてましたか!!!って、処置が綺麗なのに超したことはないけど、

おたくらの満足のためのアート作品じゃないんだから、

縫い終わりだけ綺麗だから良いってもんじゃないでしょ!!!……

なんていうダークな気持ちを抑えつつ…

私「先生は基本的に会陰切開をされるスタンスなんでしょうか?」

「まぁ、切れるときは時は切れるからねえ…。

その前に切っといた方が楽よ♪」

……会話が成り立ってないと思うのは私だけ?……

もはや、リラックスできるというハーブティーの効果を

私の心拍数は打ち消していました。

私「『状態に関係なく、会陰切開をしておいた方がいい』

という考えを先生がお持ちですか?

切開せざるおえない状態を避ける、

予防するためにできることはないかと思ったんですが…」

「そうとも言えないけれど、

会陰切開をそんなに怖がらないで。

結局切っといた方が、後は楽よ!

先生上手いし(笑顔)」

……どわああぁぁぁ~~~!!!!!!

  もうどう伝えたらいいの~~!!!!!……

意を決して再チャレンジ。

私「裂けないように柔軟性を高める方法とか会陰マッサージとか、

準備できることがあれば知りたいしやってみたいんだけれど、

そういった事に詳しい助産師さんや、

学んでおられる助産師さんはこの院におられますか?」

(個別に予約して助産師さんに相談できるシステムがこの産院にはあったので)

「ん~、実際会陰マッサージで効果があるかは

よく分からんって先生もおっしゃてて

うちではそういった事よりも

母乳マッサージとかの方に力を入れてるかなぁ…」

私「じゃあ、骨盤底のエクササイズとか

会陰部の保護のためにできることに

詳しい方はおられないんですね。」

「そうね~。骨盤底についてはあなたの方が

ピラティスしてるから詳しいんじゃない?」

……先生、なんらマザークラスで解決しなかったんですが……

そのあと、何個か質問が出ていましたが

私の頭はフリーズしていて、内容は覚えていません(笑)

期待をして参加しただけにとても悲しい気持ちになってしまって、

その時は上手く表現する方法が見つからなかったんですね。

モヤモヤしていました。

その日の仕事を終え、帰宅すると

パートナー健太はワクワクしているのが透けて見えるくらいに

「さぁ、どんなだった!」と待っていてくれました(笑)

私「モヤモヤしている…」

まずは貰った資料に目を通してもらう。

健「何年も同じまま使ってますって感じの冊子やね。

突っ込みどころ満載過ぎてモヤモヤ?」

と聞いてくれたので、

質問時間のやり取りを話して、

とても悲しくて寂しい気持ちになった。

なんなら、あの助産師さんが担当でなければ嬉しい。

いや、決してあの院に勤めている助産師さん全員が

そうだとは思わないんだけど、どうしても彼女の印象が強くて、

嫌な気持ちで彼女たちの仕事を見てしまいそうだ。

そもそも彼女たちに私の身体と赤ちゃんの生命を預けたいと思えない。

多分、そんなことを話したように記憶しています。

ずっと黙って聞いていた彼は、

健「初めて登山するのに、登山のプロに

『遭難したくないから、装備や心構えで事前に準備できることはないかな?』

と聞いたのに、返事が

『気にするな!遭難したら最新のヘリで探してやるぜ!』って言われて、

『いや、なぜそもそも遭難する仮定で話するんだろう。

ちゃんと私の話をきいてください』ってなったんやね。」

健「もう一度、信頼できるところを探してみる?」

私「気になる助産師さんがいる…けど、自宅出産になると思う。」

健「産む場所は問題じゃない。

話を聞いてみたいってコンタクトしてみよう。

そこからの判断でいいと思うよ。大事なことだから」

このコミュニケーションで本当に救われました。

私は、今思い返してもこのタイミングで、

この言葉を大切なパートナーからもらえたことで、 

歩を進めることができました。

逆に言うと、

このタイミングで、この言葉をパートナーからもらえなかったら、

歩を止めたままお産を迎えていたと思います。

つづく…


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