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身体について

人間の素晴らしい力 

 人間は外部の環境にさらされても自分の機能を一定に保とうとする自己調整力や、病気や怪我を負ったときに自分で自分を治す自然治癒力を持っています。あなたも風邪をひいたり、転んで擦り傷を負ったとき、特に何もしなくても治ってしまったことがあるのではないでしょうか?

​ この素晴らしい力は全てがバランスよく協調的にはたらいて初めてフルに発揮されます。

身体の繋がり

​身体の繋がり

 身体は全て膜という組織で繋がっています。内臓や筋肉はこの膜に包まれることによってその位置を保っています。身体を動かしたときにそれぞれの内臓や筋肉が滑りあってスムーズに動くことを可能にし、繋がりがあることでそれぞれがバランスを取り合い、身体が持つ機能を発揮し続けることが可能になります。

 さらに膜には神経や血管の通り道になるという役割もあります。神経はそれぞれの組織から情報を受け取ったり、筋肉や内臓に命令を送ったりしています。血管の中には酸素や栄養を運ぶ細胞や免疫に関わる細胞、傷をふさぐために働く細胞がいたりと、神経、血管ともに先に述べた自己調整力や自然治癒力と深い関係があります。

 臓器の位置の異常や関節の捻れによって膜にテンションがかかり、その中を通っている神経、血管を圧迫してしまうと、自己調整力や自然治癒力が働きにくくなり、結果的に病気になりやすかったり痛みが長引いたりしてしまいます。

​痛みの話

 痛みや症状というのを悪いものと捉えていませんか?でも実はその痛みや症状というのは、身体があなたに対して発しているメッセージなんです。

​ 痛みや症状を火事が起きた時に我々に教えてくれる報知器だと思ってください。火は報知器を鳴らす根本原因です。音がうるさいからと言って報知器ばかりに目を奪われていると、火はどんどん強くなります。この報知器(例えば肩の痛み)を止めてもまた別の報知器(例えば腰の痛み)が鳴り出すかもしれません。この場合、火自体を消さなければ、報知器が鳴りやむことはないでしょう。

 

歪みの話

 よく背骨や骨盤が歪んでいるなんて耳にするのではないでしょうか。肩の高さが左右で違うなんて言って、とにかく左右対称を求められます。

 でも身体の中を見てみると、肝臓は右にしかありませんし、心臓は左よりにあります。手足を考えれば利き手利き足があって左右対称ではありません。

​ 身体を診ていると確かに歪みは見つかります。でもそれは歪みがあるから悪いのではなく、歪みを作ってでも身体全体の機能を保とうとバランスをとってくれています。歪みもやはり身体があなたに異常を知らせるメッセージ(報知器)だと思います。

歪みの話。
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