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なぜオステオパシー⑦


前回の内容はこちらから。

オステオパシーのセミナーに参加して、

今後進むべき方向が定まったのですが、

そのセミナーで学んだことを

もう少しご紹介します。

まず、オステオパシーを作った

A.Tスティルという人について。

スティルは19世紀後半から、

20世紀初頭に活躍されたお医者さんです。

当時の医療はまだまだ

めちゃくちゃな時代。

そのなかでスティル先生は、

骨に注目し、

骨を通じて身体全体を診る

オステオパシーを作りました。

スティル先生はお医者さんなので、

一般的な整体のイメージである、

身体の痛みを診ていたのではなく、

赤痢など、

いわゆる病気の治療をされていたのが、

当時のカルテなどから知られています。

スティル先生は本当に

すばらしい結果を出し続けたので、

噂を聞き付けて各地から、

患者が押し寄せました。

ミズーリ州のカークスビルという

場所で診療されていたのですが、

あまりに人が来るので、

駅ができ、宿泊施設ができ、

しだいに街になっていったそうです。

このように

オステオパシーは痛みだけでなく、

内科的なものなどの

いわゆる病気にも効果があるということが言えます。

次に身体は1つのユニットとして

機能しているということ。

これはどういうことかと言うと、

今の西洋医学は、

身体を細分化して、専門性に特化しています。

まず病院に行くと、

内科とか外科とか。

整形外科、皮膚科、眼科など

ざっくり分かれていますよね。

他の分け方として、

循環器や消化器、

運動器、呼吸器、泌尿生殖器

などはたらきに注目して分けられています。

そして消化器でも、

胃の専門とか、特にこの疾患とか、

どんどん範囲を狭めています。

結果的に身体のことであっても、

自分の専門以外のことは

わからないと言われてしまう現実があります。

それに対してオステオパシーは、

身体のパーツだけではなく、

それぞれのパーツとパーツとの繋がりも重視しています。

胃を見てみると、

胃には血管や神経が来ています。

その血管は心臓や、大血管と繋がっています。

神経は脳や脊髄に繋がっています。

胃は食道の続きで、小腸に繋がっていきます。

他にも横隔膜や肝臓と隣接していて、

靭帯や膜で繋がりを持っています。

また、身体のはたらきをみても、

それぞれが協力していることがわかります。

例えば、手を動かす。

これだけみてもたくさんのパーツが関与しています。

手を動かすためには、筋肉が必要性です。

筋肉は手の骨を動かします。

その筋肉を動かすのは神経です。

次に手を動かすためには、

酸素や栄養が必要です。

酸素を得るためには肺などの呼吸器が、

栄養を得るためには胃などの消化器が

必要で、

それを手に送る心臓や血管などの循環器が必要です。

手を動かすだけでも、

最低限これだけは必要です。

生命を維持していくには、

全てのパーツが協力していかなくてはなりません。

パーツパーツがはたらくために、

またそのパーツが生存するために、

他のパーツのはたらきがなくてはなりません。

それを忘れて、今の医学ように、

パーツをさらに細分化していっても、

本当の病気の原因は見えてこないように思います。

オステオパシーの考えは、

パーツやその繋がりのなかに、

硬さや滞りが起こることで、

正常な営みができなくなり、

その結果として、

身体のどこかに症状が表れると

考えます。

スティル先生が病気の治療をされていたのは、

本当にこの身体の正常な営みを熟知されていたのだと思います。

スティル先生は、

必要な薬は全て患者の身体の中にあると言われています。

身体の正常な営みがあれば、

病気は自然に治ってしまいます。

痛みなんかも同じことです。

そして最後に感じたことをもうひとつ。

オステオパシーの最大の特徴であると思ったのが、

感覚の精密さだと思います。

(それ故に施術者の実力もはっきり出てしまうのですが)

当然ですが、施術するためには、

筋肉や骨だけでなく、

内臓や血管、神経、膜、

それ以外にもいろいろなパーツを触り分けて、

感じとる必要があります。

その上で正常かそうでないかを見極め、

さらに、そこが正常な営みを阻害しているところなのかも見極める必要があります。

当然知識も必要になります。

オステオパシーには、

高い知識と高い技術力が必要になります。

そしてそれを実際にクライアントさんに発揮できるのがオステオパシーです。

それがこのセミナーに参加して、

僕が感じた1番のことであり、

他の整体との最大の違いではないかと思いました。

それから僕はオステオパシーに傾倒していくことになりました。


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